LINEで送る
Pocket

司法取引があった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の役員報酬を巡る有価証券報告書の過少記載事件。外国映画でよくある「罪を認めれば、刑を軽くしてやるぞ」という制度ですね。では司法取引とは?わかりやすく子どもたちに説明できますか?記事にしてみました。

司法取引


スポンサードリンク




司法取引とは?

司法取引とは一言でいうと、
悪いことをした人が、裁判所で「罪を認める代わりに、検察官が、刑罰の軽減を軽くすることを保証する取引」のことを言います。

「あなたの犯した罪を軽くするので、知っていることを話してください。」
「そしたら、刑罰を軽くすることをお約束しますよ。」

というのが司法取引です。

司法取引のいいところ

捜査費用・裁判費用が節約できる。
捜査がいきづまったり、難事件になったときは莫大な捜査費用がかかります。
そこで、司法取引ができる犯人の仲間がいれば、時間的にも費用的にも解決が早まりますのでムダがなくなりますね。

実際に、司法取引を行えば、被疑者・被告人しか知りえない事柄を効率よく集めることが可能ですからね。

司法取引の悪いところ

犯罪が増加する危険性がある。

「司法取引を使えば、犯罪をおかしても罪が軽くなるからいいや」
と考えてしまう人が増えて、犯罪が増えてしまう。

つまり、犯罪を犯しても司法取引で罪から逃れようとする人が増えるというわけです。
悪いことをする人、悪いことを考える人はどうにもなりませんね。

巷で噂の日産のゴーン氏逮捕も司法取引で

日産のゴーン氏逮捕にも司法取引があったとされていますが、実際はどのようにしたのでしょうかね。


実際に検察側の人がどのようにして司法取引をやったなどと明らかにすることはありませんよね。


現実的にみて本当はこうだったのでは?
と憶測するしかこの司法取引にはありません。


今回の日産の場合、逮捕されたゴーン会長とケリー代表取締役だけでなく、他にも業務上知り得た役員が当然いたと思います。経理部門の担当者だとか。


検察当局はゴーン氏への報酬の資料の提出を受けて、有価証券報告書記載の金額と照らし合わせて容疑を固めることになります。その資料を提供してくれた役員や担当者の罪を無くすのか軽減するのかわかりませんが、何らかの司法取引があったのでしょうね。

司法取引の対象となる者

まず、自分の犯した犯罪ではなく、「他人が犯した犯罪」が対象となります。
つまり共犯者の犯罪を明らかにした場合に限って、その見返りとして「刑事処分を軽くしますよ」という取引となります。

司法取引が対象となる犯罪

司法取引が対象となる犯罪も限定されているんです。
1.経済犯罪である汚職や詐欺、横領といった犯罪
2.銃刀法違反や覚せい剤取締法違反といった銃器・薬物犯罪
などが司法取引の対象となります。


スポンサードリンク




弁護士の同意が必要とされる司法取引

司法取引成立に際しては、被疑者・被告人の同意だけでは足りず、弁護人の同意が必要とされています。
そしてさらに、被疑者・被告人と弁護人、検察官が全員署名した合意文書を作成する必要があります。

司法取引の具体的な内容は?

司法取引の内容は次のような範囲からと決められています。
1.起訴の見送りや取り消し
2.適用する罰条つまり犯罪を軽いものに変更する、
3.求刑を軽いものに変更する
といったところとなります。

そして、この司法取引で虚偽の供述をした場合には、5年以下の懲役という厳しい罰則規定も盛り込まれています。

司法取引が行われる犯罪は?

よくアメリカ映画で見る組織的な詐欺や暴力犯罪における事案で、いわゆる下部組織の情報を拾い集めて、組織の上層部の者の関わりについて司法取引で捜査を進めていくというやり方に司法取引が使われてますね。

司法取引での注意点

注意点としては、事件に関係のない人が巻き込まれる可能性が多々ありますので、罰則規定の他に、司法取引の可視化が必要という声もあります。

司法取引の今後の影響

司法取引は、検察官と弁護人、容疑者の三者で合意できる制度です。
この制度の導入で振り込め詐欺などの末端で犯罪を犯していた下部組織の者から、組織の中心的な首謀者に的を絞ることができるようになります。

司法取引を導入しているアメリカはと言えば・・・

アメリカにおいての司法取引は、ごく普通に当然のごとく行われている刑事裁判の手続きの一つとなっています。
ほぼ、8割程度の裁判が司法取引によって判決が決まっているようです。

今後の日本での司法取引は?

司法取引には長所短所があると思います。
それでも長い目で見れば司法取引は日本の司法(裁判)の主流になっていくでしょうね。

アメリカは訴訟社会なので司法取引がもしなかったら、停滞してどうにもならなかったでしょうし、日本の産業は今後ますますグローバル化することが予想され、今回の日産ゴーン氏ようにルノーと日産といった企業間ではなく、日本国とフランス国との経済競争が拍車をかけて、司法取引を避け続けるわけにはいかなかったと言っていいでしょう。

司法取引とは?わかりやすく子どもたちに・・・まとめ

今回の日産の司法取引が明白になって、ある意味ではとても良かったと思います。組織のガバナンスが狂ってしまったら今回の日産のケースになりますよね。
子供たちにわかってもらいたいけど、難しい「司法取引」というのは。


スポンサードリンク





にほんブログ村 健康ブログ 健康的な生活へ
にほんブログ村