田中英寿理事長が日大の理事長になった経緯は？50年も遡る話だ！

青森県五所川原出身で相撲が上手な少年が2620億円もの予算を動かすトップに10年以上も君臨している経緯はどうだったのか。今回のアメフト部のルール違反問題が拡大して、日大本体の田中英寿理事長にマスコミの注目が向けられている。そんな日大の田中英寿理事長を探ってみました。

田中英寿理事長の簡単な経歴

生年月日　1946年12月6日
出身　　　青森県五所川原市
農家の子として生まれ、小学校低学年から技巧派の相撲する天才的な少年でした。

1965年　　日本大学経済学部経済学科に入学後
　　　　　日大相撲部で活躍し、3年生の時に学生横綱となる。
大相撲の横綱・輪島は田中英寿理事長の1つ下です。
当時を良く知る日大の相撲部の関係者は、横綱輪島よりも田中英寿理事長が相撲が上手かったといいますから、大相撲に入っていれば間違いなく横綱クラスになっていたでしょうと･･･。

1969年　　日大農獣医学部に勤務し、社会人のアマ横綱となる。
1973年　　日大相撲部の監督に就任。
大相撲の世界に多くの力士となる学生相撲出身者を田中英寿理事長は送り込むことに。舞の海・智乃花・琴光喜・遠藤らを･･･。

1994年　　JOC(日本オリンピック委員会)理事に就任。
日大相撲部監督としての功績が認められたということです。

1999年　　日大理事になります。
日本相撲連盟専務理事、国際相撲連盟事務総長、相撲の国際普及の功績。

2008年　　日大の理事長に就任。
2018年　　現在に至る。

田中英寿理事長の相撲は？

玄人受けする相撲内容です。
相手にもろ差しを許しながら、脇をしめて肘を上手く使って、相手の動きを瞬時に掴んで『下手ひねり』。
相撲内容からみて、器用な方なんだなということがわかります。
相撲だけでなく世渡りも「気を見て敏なる」ごとく、上手だったと言えます。

日大・田中英寿理事長の功績

・新病院開院
・小学校や2つの新学部を開設
・地方からの学生に対する経済的支援を目的に7つの学生寮の増設

田中英寿理事長が日大の理事長になる経緯は？

田中英寿理事長がなぜ日大のトップの理事長にまで登りつめたのか？

それは、時代の流れが田中英寿理事長とうまく呼応することになります。
50年前の日本は、全国の大学で学生運動が盛んになり、高校の校門の出口に大学生がビラを配りに押し寄せていた。

当時の学生運動と日大経営の腐敗と反体制運動というのがわからないまま、一気に騒動が広がった日大闘争というのがありました。

この日大闘争で全共闘と争ったのが古田会頭という、柔道部主将として活躍した体育会系の人物だった。このときから、同じく体育会系の田中英寿氏は助手として、古田体制を支えていきます。

そして学生運動が沈静化してくるようになって今度は、2000億円を超える予算を握るマンモス組織の頂点に立つ総長の座を巡っての抗争へと移っていきました。

そんななか田中英寿氏は、相撲部監督として有力力士を育て角界に送り込むなど徐々に発言権が強くなっていきます。
保健体育審議会事務局を足場に地位を築き、1999年には、理事に就いて経営に参画するようになります。

2000年代に入るころは、田中英寿理事を無視して話を進めることはできなくなっていくほど日大内に権限をもつようになっていきます。

そして2002年に常務理事に。

05年6月の総長選は、田中英寿氏が陣営に入った小嶋勝衛氏が勝ち、第11代の総長となります。実際に実権を握っていたのは田中英寿氏といわれるほどでした。

そして、3年後の2008年、理事長となって支配体制を固めた田中英寿理事長が行った「仕上げ」が、総長から理事長へと権限を移す組織改革を実施します。

このことにより、第13代総長の大塚吉兵衛氏は、学長に横滑りして田中英寿理事長氏を補佐する役目に変わります。

今回のアメフト事件で、一般的に日大総長がトップであろうとだれもが責任を追及したかのように思いましたが、実際には、日大総長の大塚吉兵衛氏は単なる傀儡総長ということがわかりました。

田中英寿理事長は、体育会的発想と実力行使で生き抜き、出世して理事長に就き、いつの間にか理事長ポストをトップに代えてしまいました。

今回の日大の対応が遅れたのは、内田監督を後任に日大理事長ポストに就かせることで、今後も田中英寿理事長の院政を踏もうとしていたことが失敗の原因だったようですね。

【日大教組理事らに辞任要求へ】日大アメフト部の悪質な反則問題で、日大教職員組合は内田前監督の常務理事など全ての役職と、田中英寿理事長、大塚吉兵衛学長の辞任を求める要求書を公表。理事長宛で日大本部に提出へ。 https://t.co/eyqAkqWYCw

— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年5月31日